高市早苗新総裁の誕生直後、26年間続いた自公連立という政治の「常識」が、公明党の離脱表明によって突如として崩壊しました。永田町を揺るがしたこの激震に、多くの人が「一体何が起きているのか?」と固唾を飲んで見守ったことでしょう。
本記事では、ジャーナリスト門田隆将氏の解説に基づき、この政局の深層を読み解くための「3つの重要なキーワード」を紐解いていきます。
政局の混乱を読み解く3つのキーワードとは?
①「高市長期政権」への怖れ
② 水面下での「中国の介入」
③「二幹二国」というシステムの崩壊
です。
①全ての元凶?恐れられる「高市長期政権」というシナリオ
今回の政局混乱の核心にあるのは、公明党や自民党内の一部勢力、そして中国が最も恐れている「高市長期政権」の誕生というシナリオです。
これは、高市早苗さんが総理として長く続くかもしれない、というシナリオのことです。
公明党が離脱の理由として挙げた「政治とカネの問題」は、
どうやら“建前”にすぎないのでは?と門田さんは指摘しています。
その最大の根拠は、公明党の斎藤鉄夫代表は、「次々回の首相指名選挙の時には(自民党と)協議はありうる」と発言され、これはつまり、 「次の総理が高市さんでなければ、また連立もありうる」という意味。 つまり“高市さんだから離れた”とも読めるんです。
高市政権でなければ連立に復帰する可能性を早々に示唆しました。
問題の本質が「カネ」ではないことは、この一点からも明らかです。
では、本当の理由は何なのか。それは、高市新総裁による長期政権への現実的な怖れです。今回の任期2年とその次の3年を合わせた、合計「5年間」に及ぶ可能性があるこのシナリオこそが、彼らにとっての最大の脅威なのです。
なぜ「高市長期政権」はこれほどまでに恐れられるのでしょうか。
- 毅然とした政治姿勢: 高市氏の政治姿勢は、理不尽な要求に対しては「制裁を含めて毅然と対峙する」というものです。これは、これまで一部の政治家が見せてきた、いわゆる「媚中政権とは異なる」ものであり、特定の勢力にとっては極めて不都合なのです。
それが一部の政治家や公明党、そして中国にとって「都合が悪い」わけですね。
▶都合が悪い議員は「総裁選やり直し」を望む。
自民・船田元氏が「石破首相の退陣撤回」「
高市氏退き総裁選やり直し」案を言及する。

- 圧倒的な国民の支持: 共同通信の調査では、高市氏の支持率は68%に達しました。さらに総裁就任後、党員になりたいという申し込みが事務所に短期間で4000人も殺到するなど、その人気は絶大です。この国民からの強い支持が、長期政権の可能性を裏付けています。
政権発足のまさに「今」こそが、長期政権の芽を摘むための最後の好機だと彼らは考えているのでしょう。
そして、この「高市長期政権」というシナリオを最も警戒し、その阻止のために水面下で動いているのが、隣国・中国なのです。
②日本政治への直接介入?暗躍する中国の影
2つ目のキーワードは、水面下での「中国の介入」
「高市長期政権」の誕生は「困る」
そう考えた中国が、日本の国内政治に直接働きかけているのではないかという、衝撃的な疑惑が浮上しています。
驚くことに、中国の駐日大使が公明党の斎藤代表を直接訪ね、 「次期政権」について話すなんて、 かなり異例なことですが、「相談」をしたという事実が報じられているのを門田氏が指摘しています。
この一連の出来事は、公明党の連立離脱という決断の背景に、単なる国内の政策対立だけでなく、中国の意向が働いていた可能性を強く示唆しています。
中国の意向が日本の政党に直接影響を及ぼす—。
この異例の事態を可能にしてきたのが、長年、日本の政策決定を歪めてきたとされる「二幹二国」というブラックボックスでした。
③「二幹二国」日本政治を歪めてきた“ブラックボックス”
最後のキーワードは「二幹二国(にかんにこく)」という聞き慣れない言葉。
これは長年、日本の政治の裏側で大きな影響を持ってきた仕組みなんです。
「二幹二国(にかんにこく)」とは何か?
これは、自民党と公明党、両党の「幹事長」と「国会対策委員長」、計4名によって行われる会議を指します。
この会議が、国会に提出される法案や決議案などを最終的に決定する、事実上の最高決定機関として機能してきました。
つまり、国会で何を進めるかは、
この4人の合意なしには動かない仕組みになっていたんですね。
「二幹二国」が日本の政策に与えてきた影響
門田氏によれば、このシステムは二階俊博氏のような親中派の重鎮政治家と公明党によって長年主導されてきました。その結果、中国の意に沿わない重要な政策が骨抜きにされる事態が頻発したと指摘されています。
- ウイグル人権問題での対中非難決議: 本来より厳しい内容になるはずが、「二幹二国」の段階で大幅にトーンダウンさせられた。
- 外国人による土地取引規制法案: 安全保障上重要な土地を守る法案だったが、公明党の強い要求で市街地などが対象から外され、骨抜きにされた。
そんなことが何度も起きてきたといわれています。
そして、ここからが決定的に重要なポイントです。高市氏が組んだ新しい自民党執行部には、中国に靡く「媚中」と評される政治家が一人もいません。
これは、長年にわたり日本の政策決定を裏から操ってきた「二幹二国」という権力構造そのものの終焉を意味するのかもしれません。
自分たちの影響力を失い、政策を思い通りにできなくなること。これこそが、彼らがなりふり構わず高市政権の誕生に抵抗する、根本的な理由なのです。
これは日本の未来を賭けた戦いの始まりか?
高市新総裁の誕生は、日本の政治を長年規定してきた「見えざる秩序」に対する直接的な挑戦状であり、その反動が今、公明党の連立離脱という形で噴出しているのではないでしょうか?
表向きの理由だけでは、この事態の本質は見えてきません。
- 「高一長期政権」を恐れる国内外の勢力
- 水面下での「中国の関与」
- そして長年続いた「二幹二国」という古い仕組みの崩壊
これら3つのキーワードを繋ぎ合わせると、現在の政治混乱が、単なる政党間の駆け引きではない、より大きな構図が浮かび上がります。
これは、旧来の利権構造と親中路線を維持しようとする勢力(古い日本)と、新たな外交・安全保障のビジョンを掲げる勢力(新しい日本)との間の、日本の未来を賭けたせめぎあいのようです。
私たちは日本の転換点を、まさに目の前で見ているのかもしれません。今後どう動いていくのか。
一人ひとりが「本当の背景」に目を向けて、見守っていく必要がありそうです。



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